目次
お米を選ぶ時、迷ったことはありませんか?
かくいう私も、どのような基準で選んだらいいのかわからずに、なんとなくで決めることがありました。
たとえば、安かろう悪かろうの考えで高いお米を選んだり、新潟県産のお米、新しい品種を買うこともしばしば。
時に失敗し、好みではないお米をもったいないので食べ切った経験が何度もあります。
しかし、せっかくなら、好みに合った一番おいしいと自信を持って言えるお米に出会いたいですよね。
そのためには、明確な基準を持って、選ぶことが大切です。
なぜなら、お米の品種は約1,000種類ほど存在しており、新しい品種も毎年生まれ続けていることから、なんとなくでお米を選ぶと最適なお米に出会える確率は非常に低いのです。
そこで、本記事では、「一生涯付き添うお米の選び方」と「イチオシのお米」を紹介します。
それでは、まずは、一般的なお米選びの基準について解説します。
なんとなくで選ぶことの多いお米選び。
知らず知らずのうちに基準にしている代表的なものは以下の7つです。
=============
1.品種
コシヒカリ、ひとめぼれ、新品種など。
2.産地
新潟県産、魚沼産など。
3.価格
高い、安いなど。
4.栽培方法
農薬不使用、減農薬栽培など。
5.粘り
もっちり、あっさりなど。
6.硬さ
しっかり、やわらかなど。
7.便利さ
無洗米、発芽玄米など。
=============
スーパーやオンラインショップなどで、商品のパッケージや紹介文に書かれていることが多いため、これらが判断の基準になりやすいです。
しかし、この7つの基準だけでお米を選ぶと、一生涯付き添うお米に出会うことはできません。
なぜなら、食味が高いかどうかを判断する基準が不足しているためです。
お米マイスターとしておすすめする、新たに基準にすべきものは以下の3つ。
それは、生産者の専門性、栽培へのこだわり、地域・環境への配慮です。
それでは、一つ一つ詳しく説明していきましょう。
日本は、瑞穂の国(瑞々しい穂が実る国という意味)という呼び名があるように、古来から稲作を続けてきました。
長い歴史の中で、栽培方法は確立し、気候変動に対応する品種改良がされ、人体や自然環境にも害を与えない農薬・化学肥料の開発がされています。
言い換えれば、素人でもお米を作れる時代になっているのです。
しかし、だれでもおいしいお米を作れるわけではありません。
不思議なもので、生産者の専門性が高ければ高いほど、お米の食味は高くなります。
実際に、私たちがお付き合いする生産者の皆さんは、驚くほどに専門性が高いです。
物理学、化学、生物学において、幅広い知識を持ち合わせており、明確な根拠をもって、どのようにしたらおいしいお米ができるのかを把握しています。
そのため、生産者の専門性はおいしいお米作りに必要不可欠な要素なのです。
お米は、特殊な生鮮食品です。
それは、栽培、保管、精米、選別、炊飯といった5つの工程の出来、不出来が、味や香り、ツヤ、粘り、硬さに大きく影響を与えるからです。
それぞれの工程において、こだわるほどおいしくなる。それがお米が特殊な生鮮食品である理由なのです。
たとえば、栽培の工程においては、肥料の種類や与える量、水管理、防除のタイミングなどがこだわりのポイントになります。
つまり、なにを、どのように、どこまでこだわるかが重要なのです。
食味とは関係がありませんが、大切な基準がもう一つあります。
それは生産者がどのように地域と環境に配慮しているか、です。
現に、私たちがお付き合いする生産者は、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が生まれる前から地域の活性化や環境への配慮をしています。
はるか長い先を見据えて、いまなにができるかを考えて行動している生産者であるかどうかは、現代において商品選択の新しい基準になるのではないでしょうか。
これらが、大切な3つの基準です。
まとめると、一生涯付き添うお米を選ぶためには、新しい基準を加えた以下の10基準が必要になりますのでお米選びの参考にしてみてください。
1.品種
2.産地
3.価格
4.栽培方法
5.粘り
6.硬さ
7.便利さ
8.生産者の専門性
9.栽培へのこだわり
10.地域・環境への配慮
それでは次に、上記10基準を満たしたイチオシのお米を紹介します。
それは、山形県の城戸口さんが栽培する山形米シリーズです。
山形米シリーズ
・最上のコシヒカリ
・最上のあきたこまち
・最上のひとめぼれ
・つや姫
・雪若丸
・復刻ささにしき
それでは、なぜ山形米がイチオシ米なのかを、先ほど説明した3つの基準に照らし合わせて見てみましょう。
生産者である城戸口さんは、お米専業約50年の経験はさることながら、物理学、化学、生物学において幅広い知識を持っています。
スタッフの方々も、品種特性、栽培、農薬・化学肥料の知識を持ち合わせており、お米マイスターである私も大変勉強になる現場の知識を持ち合わせています。
高い専門性はさることながら、探究心を持ち、真面目で、謙虚な生産者ですので、毎年品質が高いのが特徴です。
品種改良が進み、栽培方法が確立したとはいえ、農業は自然との戦いです。
毎年違う自然に合わせて、最適な栽培をするためには、城戸口さんのような専門性と根本的な誠実さがとても大切になります。
誠実な人は、誠実なものを作るという言葉がぴったりな生産者です。
スタッフの方々が全員専門家のため、各工程において、妥協はありません。
例を挙げるとキリがありませんが、土壌検査を毎年実施をして、適切な肥料を与えたり、細やかな稲と水の管理、防除のタイミングと栽培適期の見極めができています。
加えて、他品種や異物の混入を防ぐために、刈り取り機、乾燥機、もみすり機、選別機、計量機の徹底的な清掃も行っています。
稲の収穫後は、すぐにもみの乾燥に入り、時間をかけてゆっくりと低温で乾燥することでお米の旨みを最大限に引き出しています。
ここまでこだわるのかというくらい、徹底しているのが特徴です。
あたりまえのことをあたりまえにやる。
それが、一番難しくもあり、一番大切なことでもあるので何十年もこだわり続けているのです。
城戸口さんの栽培地域は、山形県山形市。
米どころの山形でも、生産者の高齢化の波はきており、年齢を理由にお米作りをやめる方も増えています。
ただ、城戸口さんは、そういった方々から栽培を請け負うことで、地域の水田を維持しています。
どれくらいの広さの水田を管理しているかというと約70ヘクタール、およそ東京ディズニーランド1.5個分、東京ドーム15個分の広さです。
たかが水田と思うかもしれませんが、水田の維持にはさまざまなメリットがあります。
たとえば、景観の保全はもちろん、生き物の住処になったり、暑さを和らげるなどのメリットがあります。
加えて、洪水を防ぎ、川の流れを安定させて地下水を供給するなどもあります。
仮に、水田がなくなったとしたら、その経済損失は何千億円、何兆円とも言われ、維持することに大きなメリットであるのです。
上記のような地域への配慮だけでなく、環境への配慮ももちろん実施しています。
それは、温室効果ガスであるメタンの発生防止。
稲作においては、通常、稲が実る前に過剰な成長を防ぐため一度水を抜きます。
水を抜く期間が長ければ、メタンが発生しにくくなることから、水抜きを通常に比べて7日間長くしてメタンの排出削減などをしています。
これらはあくまでも一例ですが、地域だけでなく、環境への配慮をしつつ、おいしいお米作りをしている生産者なのです。
余談ですが、いままで何十年も産地へ足を運び続けて感じること。
それは、結局は「人と人との付き合い」だということです。
真摯に、継続的に、長期的に生産者と向き合うことで、信頼関係を築くことができます。
生産者とお米屋の信頼関係なくして、真の品質追及はできません。
つまり、長年の「人と人との付き合いによる信頼関係」が、おいしさ秘訣なのです。
精米・選別・販売を担い、お客様の声を知るお米屋だからこそ、率直な意見を生産者に伝えます。
時に、激しい議論になることもありますが、土台となる信頼関係が構築できているため、結局は品質向上につながるのです。
そのため、私たちは、これからも産地に足を運び、生産者と信頼関係を構築していきたいと考えています。
本記事では、「一生涯付き添うお米の選び方」と「イチオシのお米」を説明してきました。
まだ一生涯付き添うお米に出会えていない方は、今後のお米の選び方の参考にしていただければ幸いです。
もしイチオシのお米である山形米シリーズに興味をお持ちいただけましたらこの機会にお試しくださいませ。
ちなみに、山形米シリーズはアメリカン・エキスプレスの会員限定カタログに採用され、長年支持されているお米です。
関西一の高品質・高級スーパーマーケットとされる、サポーレ瑞穂店・熱田伏見通り店でも、山形米シリーズが他のお米を抑えて一番の人気なお米になっています。
支持されるには、きちんとした理由があります。
一度お試しいただきご実感くださいませ。
実際に私は、もっちり、しっかりめな食感が好きなので、最上のあきたこまちを購入し続けています。
すべてがおすすめですが、人の好みは千差万別ですので、お選びの際は以下を参考にしてくださいませ
山形米シリーズ特徴
・最上のコシヒカリ
クセになるコシの強さと濃厚な甘み
・最上のあきたこまち
コシが強くもちもちした歯ごたえと滑らかな舌ざわり
・最上のひとめぼれ
ふっくらとしたやわらかさと心地よい粘り
・つや姫
コシヒカリを超える甘みと旨み
・雪若丸
噛むごとに増す甘みと豊かなお米の香り
・復刻ささにしき
控えめな甘みとさっぱりとしたお米の旨み
商品パッケージに書いてある「表面的な情報」だけではなく、生産者の専門性、栽培へのこだわり、地域・環境への配慮といった「本質的な情報」を基にお米を選べば、きっと一生涯付き添うお米に巡り会えます。
日本人の大切な主食だからこそ、正しい基準を用いて最適なお米を出会うことで、結果として生産者が潤い、地域が賑やかになり、ひいては、日本農業の活性化につながることを願っています。
この記事を書いた人
石川 和明
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。三ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。三ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。