小麦と大麦は、名前や見た目は似ていますが、その性質は大きく異なります。
結論としては、大麦はグルテンフリーと言えますが、注意が必要です。
小麦アレルギーの原因物質。
小麦に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」というたんぱく質を水でこねることで生成されるもの。
グルテンの特徴は、粘りと弾力です。他のたんぱく質にはないユニークな特徴を持つため、様々な食品に利用されています。
例えば、天ぷらを揚げるときに卵と薄力粉を混ぜすぎるとグルテンが生まれて、仕上がりがモチモチになってしまいます。
水分と混ざることで粘度と弾力が発生するため、あえて混ぜすぎずにダマが残るくらいで揚げるとサクサクに仕上がります。
これがグルテンの性質を利用した調理法です。
大麦(特にもち麦)は、そのモチモチした食感からグルテンを含んでいると誤解されがちです。しかし、大麦にはグルテンの素となる「グリアジン」と「グルテニン」が含まれていません。
大麦の主要なたんぱく質は「グルテリン」と「ホルデイン」であり、小麦のたんぱく質とは組成が異なります。そのため、大麦を水でこねてもグルテンは生成されません。
ただし、大麦には小麦と似た分子構造のたんぱく質が一部含まれているため、小麦アレルギーの方が大麦を摂取した際に稀にアレルギー反応を起こすことがあります。
小麦アレルギーの人でも、大麦を問題なく食べられる方がいらっしゃいますが、最終的な判断は専門医に相談することが重要です。小麦アレルギーをお持ちの方は、大麦を食べる際には十分ご注意ください。
大麦は食感と香りが良いので、数多くの雑穀ブレンドに配合されています。市販の雑穀ブレンドにはほぼ100%入っていると言えるでしょう。
そこで、今回は大麦を含まないグルテンフリーの雑穀ブレンドを紹介します。
使用している雑穀は、すべて国産のもちあわ、ひえ、もちきび、アマランサス。
いずれも栽培期間中の農薬と化学肥料を使用していないため、安心安全な雑穀ブレンドです。
植物分類:
・もちあわ イネ科、エノコログサ属
・ひえ イネ科、ヒエ属
・もちきび イネ科、キビ属
・アマランサス ヒユ科、ヒユ属(ほうれんそう、ビーツの仲間)
幼少期に出現率の高い食物アレルギーを考慮して、三大アレルゲン(鶏卵、牛乳、小麦)である小麦を使用していません。
小麦と大麦は同じイネ科ですが、まったく違う植物です。本来、大麦には小麦アレルギーの原因物質であるグルテンは含まれません。ただ、グルテンとよく似た分子構造のたんぱく質が存在しているため、念のため大麦も使用せずにグルテンフリーの雑穀にしています。
白米に馴染む炊き上がりになり、モチモチ食感の強い、やわらかめ食感の雑穀ごはんです。
炊き上がり写真は、以下の雑穀ブレンドを米1合につき、大さじ1杯加えたものです。
この記事を書いた人
石川 和明
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。三ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。三ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。